あるデイトレーダーのコメント
「長期の投資は運用だが、短期の投資はギャンブルである」と語る評論家をよく金融雑誌などで拝見します。
ある調査によれば、日米における株式投資の平均リターンは約5~7%前後だそうです。そのせいなのか、評論家曰く「短期的には大きく下落する場面があっても、いずれは(平均リターンへ)戻るので、安値で買い長期で持っているのが良い」と。
それはそれで確かに間違ってはいないのでしょうが、「いずれは、(平均リターンへ)戻る」の「いずれ」が、どの程度の期間を想定しているのか。その評論家が明確に時期を示しているのを見たことはありません。
日経平均株価が4万円台へ迫る勢いを見せたのは1989年末ですが、それ以降から現在までの約24年間の日経平均の動きについては言わずもがな。少なくとも日本の株式市場においては、長期の投資が報われたとは言いにくい状況が未だに続いています。
この点から、ただ漠然と長期投資をするのではなく、例えば年々業績が向上しているにもかかわらず、それが株価へ反映されていない個別株にだけ投資をするなど、何らかの根拠を持った長期投資でないと報われることは少ないと言えます。
「短期のことですら分からないのに、長期のことなど分かるわけがない」。以前、あるデイトレーダーがそう言いきっていましたが、そちらのセリフの方が腑に落ちる感じがします。